デジタル戦略が専門のミシェック・ピスコルスキー教授のインタビュー記事が、日本経済新聞に掲載された。ビジネスリーダーはAIとどう対峙するべきなのか。社会実装は進んでも、AIの活用法についてはいまだ手探りという経営者や企業は少なくない。
「経営者は機械学習の仕組みについて理解を深めるべき」と唱える同教授。まず、AIの進化によって変化したリーダーの役割について語った。
「AIは専門家のみの領域ではなく、経営判断の対象となった」
「AIは結果の確認→修正、といった動作を反復して学習する。人の役割は、機械学習に最適な環境を用意すること。大規模で、迅速に学習できる環境をつくることが重要」
「環境整備への投資を決めるのは経営者。経営者はAIの学習過程を理解し、専門家と連携して導入するべき」
また、「経営者の役割は、AIに速いスピードで繰り返し失敗できる環境を提供すること」と喝破。AIの学習に関する企業の失敗例を挙げ、「機械学習の性質とビジネスニーズの両方に配慮する必要がある」と語る(具体的な事例、詳細は日経インタビュー全文をご参照ください)。
では、経営者が学ぶべきことは何か。
「デジタルトランスフォーメーション(DX)へのAIの関与を大局的に理解すべき。企業のDXは、組織運営から提供するサービスまで事業全体に関わる。部門横断でAIの活用環境を整えないと、一気通貫したDXは不可能」
最後に、注目を集める生成AIについて、「技術の導入は目的ではなく、手段」であると強調。「まず解決すべき問題を的確に把握すべき。生成AIが最善策とは限らない」
「生成AIを苦労して導入しても、すぐに時代遅れになる可能性がある。まだ導入していなくても、決して気にすることはない」と締め括った。
インタビューの全文はこちらから(有料記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC219A50R21C24A1000000/